「アントーニョ、片想いって辛いね」
「なんなんいきなりー」
隅っこがすきだ。特に騒がしい教室の隅っこなんかがだいすきだ。そして私はよくそこの近くにある椅子やら机やらをてきとうに隅っ こにもってってぽつんと喧騒の外に出るのが好きだった。よくそうしていた。私がそうしていると、よくアントーニョが隣に椅子を持って きた。時々フランシスとかも来た。でもなんといっても一番隣に来るのがアントーニョで、彼は私の隣に来て何をするかというと特別何もするわけではないのだ。ただわたしにつきあってくれる。大体私がここに来るときは誰とも話したくないときとか、ぼーっとしたいときとかそんなときだから、アントーニョは変に話題を振ってきたりしない。空気よめないし鈍感なくせに、なんでこういうとこの気遣いはできちゃうかな。そして私は今日今も、ぼーっとするために、というか傍観するためにここに椅子持ってきてぽけーっとしているわけである。
「や、なんかこう 苦しいというか」
「おまえにもそういうのあったんやなー」
「どーゆー意味だ!」
恋愛相談なんてフランシスくらいにしかしたことなかったから(もちろん気付かれて詮索されたからであって私からではない)、鈍感なアントーニョは知らなかったのかもしれない。私結構分かりやすいとおもうんだけどな、不覚にも。そうしてる間にも、あたしの想い人は今日も、
「たのしそう」
「混ざればえーのに」
「できないよ」
前方にはフライパンを振り上げるエリザ、必死に逃げようとするギル、さすがに止めようとしているらしいローデリヒくん。
「片想いってつらいー」
「そうかー(俺もやーっていうのは今日は言わんでおいてやろ)」
(シリーズか連載にしたいかも・・・!)(08.08.05)