今日は朝からふわふわしていた。浮き足立つというかんじなのだろうか。なんだか夢の中で雲の上を歩いているようなかんじなのだ。しっかりと立っているというかんじがしない。朝もいつもより早く目が覚めてしまった。シャワーも朝食も、身だしなみもいつも以上に時間をかけて丁寧にした。
僕はよし、と心の中で意気込むとキーを回して車のエンジンをかけた。この車も綺麗に磨いておいたから、なにもかも完璧だ。ゆっくりとすべるような運転でを迎えに行く。今日は久しぶりに会うのだからと、僕は恥ずかしいけれどはりきったし楽しみにしていた。本当に久しぶりだった。彼女は少し離れたところに出稼ぎに行っていたから、手紙のやりとりしかできなかった。今日からしばらくはうちに泊まって生活をする。幸せでいっぱいだった。


今日は朝からなんだかふわふわしていた。わくわくみたいな、自分が自分じゃないような変な感覚だ。物に触っても力が入らない、痺れたような感覚になる。私は普段、その、正直言うと寝坊をよくするほうなので、目覚ましを二個、うるさいやつを枕元に置き、更に仕事仲間の友達にモーニングコールを頼んだ成果によって今日は早く起きれた。早く起きた分は、いつもの倍丁寧に身だしなみを整えた。化粧も、薄いけれど丁寧にしたし、アクセサリーだっていちばんのお気に入りをつけた。軽く香水もつけて、新しい赤いピンヒールを履いて待ち合わせ場所に立つ。
ああ、どきどきする。ほんとうに久しぶりに会うのだ。会いたくて会いたくて何度泣いただろう。歩いて会いに行こうとも思った、だけどそのたびに耐えた。今日から数日はずっと一緒に居られる。私は冷たい空気を体の芯にいきわたるように吸うと、しゃんと背筋を伸ばした。



ゆるやかに走ってきた車が、軽く音をたてて止まった。朝の光が車体に反射してきらめいていた。
「エドァルド!」
!」
よくある、昔の映画のようにわたしたちは抱き合った。嬉しくて、懐かしくて、愛しくて泣きそうだった。匂いを感じるのも久しぶりだった。
「元気だった?」「こそ」
私達は笑いあったあと、車に乗り込んだ。車の中ではお互いにずっと話してばかりだった。どんな話をしたかなんて思い出せないくらいのくだらないはなしだったけれど、それでよかった。車のにおいも陽に透けるように光る髪もすべてが懐かしくて愛しかった。短い間だとしてもきっとずっとわたしたちは笑い合っているだろう。料理をつくるのもお風呂もトイレに行く前だってきっとずっとお互いにくっついて過ごすのだろう。暑苦しいと感じないのはきっと私達だからだ。ああなんて幸せな、








幸せへのワルツ
(09.05.29)(リクありがとうございました!)